弁護士 和賀 弘恵

解決事例

2019年06月05日

調停で協議離婚の際に作成した公正証書の見直しを行った事例

■依頼者
女性

 

■事案の概要
元夫が職場で不倫をしているのではないかと依頼者が疑いを持っていたが、証拠がつかめないまま協議離婚し、公正証書(法務大臣に任命された公証人が作成する公文書)を二人で作成した。その際、元夫が依頼者に子どもの養育費は支払うが、財産分与と慰謝料についてはお互いに請求しないことを明記した。依頼者は離婚後、元夫名義の家に住んでいたが、さまざまな事情からそこを退去することになり、その結果、生活が経済的に苦しくなってしまった。そこで依頼者は自ら、公正証書の内容の変更について調停を申し立てたが、うまく進めることができない状況となった。

 

■解決結果
公正証書に記載された養育費の金額が「算定表」と比べて低めに設定してあったため、それを増額することで合意した。

 

■弁護士からのコメント
ここでのポイントは2つあります。
1つは公正証書の記載内容は裁判の判決と同じ価値を持つということです。財産分与や慰謝料を公正証書で一度合意してしまうと、相手方が納得しない限り変更はできませんので注意が必要です。できれば作成する際には弁護士に相談することをおすすめします。
2つめは養育費についての扱いです。標準的な金額が「算定表」に示されており、それを目安に定めることが多くなっています。従って、そこから逸脱していたり、算定表に沿ってはいるが実態と合わないなどの場合には、双方が合意した内容を後日見直すことが可能です。