弁護士 和賀 弘恵

相手から離婚を言い出された方

相手から離婚を言い出された方の中には、条件次第では離婚交渉に応じたいと考えている方と、離婚したくないと考えている方の両方のケースがあります。それぞれのお悩みごとに、説明をさせていただきます。

条件次第では離婚してもいいと考えている方

条件次第では離婚してもいいと考えている方は、どのような離婚がご自身にとって一番納得できるかを考え、行動していくことが重要です。納得できる解決にするためにも、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。ご自身が今置かれている状況や今後の見通し、進め方について、法的視点からご提案いたします。復縁は難しいな、と感じたらご相談ください。

離婚する前に確認したいこと

離婚を言い出された場合、きちんと準備せずに離婚してしまうと、あとあとお金や親権のことでトラブルになりがちです。離婚後に困らないためにも、以下の点を確認しておきましょう。
当事務所では、ご依頼者様のお話を十分にお伺いし、どのようなことが最も望ましいのかを一緒に考え、ご満足いただけるよう交渉を進めてまいります。

慰謝料

離婚の場合の慰謝料は、離婚原因となる行為をした側(不貞行為、DV、別居、セックスレスなど)に請求されます。
配偶者に不貞行為が認められた場合には、配偶者とともにその不貞行為の相手(第三者)にも慰謝料の請求が可能です。慰謝料を請求するためには証拠が必要ですので、写真や書面、映像などはしっかり残しておきましょう。
私どもが、慰謝料を請求したい理由や持っている証拠の有力性などを確認し、今後についてアドバイスをいたします。また、相手から慰謝料を請求される場合には、相手に弁護士がついているケースが多いです。一方的に不利な条件を押し付けられないためにもぜひご相談ください。

財産分与

婚姻生活中に得た財産は、特別な理由がない限り夫婦で分割します。その際、どのようなものが財産に当たるのか、どれだけ財産があるのかを把握しておかないと、後から相手の隠し財産が発覚し、結果として損をしてしまうケースがあります。離婚する前には、ご家庭の財産状況についてしっかり調査しましょう。

養育費

ご自身が親権者に決定した場合、相手に養育費を請求することができます。養育費はそれぞれの家庭の生活レベルによって異なりますので、一律に決まっているわけではありません。養育費がどれだけもらえるのか、あるいは支払うのか確認しておく必要があります。そのためには相手とご自身の年収が重要になりますので、離婚する前に必ず把握しておきましょう。
また、養育費の未払いがある場合は、相手の給与を差し押さえることができる場合がありますので、すぐにご相談ください。

面会交流

面会交流は成人していない子どものためのもので、その健やかな成長を目的としています。ただ、この問題は子どもへの思いから親同士の間で感情的な対立を生むことがあります。離婚後にもめ事が起こらないよう、事前にルールを定めておくことが重要です。

離婚の方法

離婚の方法には、主に「協議離婚(ご夫婦での話し合い)」「調停離婚(裁判所が仲介した話し合い)」「裁判離婚(双方が主張して裁判官が判断)」という3つの方法があります。
夫婦で話し合い、双方の同意の上で離婚届を提出する協議離婚で解決するのが一番早いですが、お互いの考え方の違いや感情のぶつかり合いなどで、双方の離婚の同意や条件面での折り合いが難しくなる場合があります。
その際には、まず調停を行い、それでも納得できないときには裁判をする、という段階を経て進めていくことになります。なお、調停に入る前の「協議離婚」の段階で、当事務所が双方の間に入って交渉することも可能です。

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離婚したくないと考えている方

離婚したくないと考えている方はまず冷静に、相手がなぜ離婚を言い出すようになったのかを確認しましょう。相手と真剣に向き合うことによって離婚が回避できるケースもあります。ご自身の意思をきちんと相手に伝えて、どうすれば離婚せずに済むのか、話し合うことが大切です。しかしそれでも折り合えない場合は、どのようにしたらよいのでしょうか。

相手の離婚理由は正当なものか

ご自身が離婚に合意できない際に相手が離婚をするためには、その理由が法律で定められたものに該当する必要があります。これを法定離婚事由といいます。調停・裁判では、離婚の原因が法定離婚事由であることを、証拠を示して証明することが求められます。法定離婚事由として認められる事情は、下記となります。

1:不貞行為(不倫の中で性的関係があった場合を「不貞行為」といいます)
2:悪意の遺棄
3:3年以上の生死不明
4:重度の精神病
5:婚姻を継続し難い重大な理由

悪意の遺棄とは、相手が生活費を払わない、勝手に家を出て行ったなど、夫婦生活に協力しない行為を指します。また、婚姻を継続し難い重大な理由は、DVや宗教活動、セックスレスなどが当たります。
近年お亡くなりになられ、マスコミを賑わせたある有名な芸能人の夫婦では、夫が一方的に離婚届を役所に提出したところ、妻が納得せず裁判所に訴え出て離婚届無効の判決が出たことがあります。離婚をしたくない場合には、離婚の理由など関連した状況をお伺いし、今後の見通しと対応方法についてご提案いたしますので、まずはお問い合わせください。